MIDNIGHT HERO

デラシネのブログ。明日へむかって。

追悼・萩原健一。永遠の不良少年の死に寄せて。

昨夜、衝撃のニュースが流れた。

ショーケン、死す。

オレたちの時代のヒーローが逝ってしまった。

小学校の頃か。

夕方、学校から帰って来ると、日本テレビ系列で「傷だらけの天使」の再放送をやっていた。

今やドラマ界の帝王となっている水谷豊、名優・岸田今日子、怪優・岸田森、豪華なゲスト、名ライター・市川森一の脚本、深作欣二神代辰巳工藤栄一恩地日出夫などの映画界の巨匠たちの演出、カメラは名手・木村大作、そんなことは何にも知らなかったけれども、カッコいい、と子供心に思った。

太陽にほえろ」は、ジーパン刑事・松田優作になってから見始めた。

これは、父親が観ていたからだ。

このドラマの大ヒットも、萩原健一がレールを敷いた。

テーマ曲を、グループ・サウンズ時代の盟友、井上堯之大野克夫に担当させる事を条件にマカロニ刑事役を引き受け、殉職シーンもショーケンの提案で、新人刑事の殉職シーンは、マカロニから代々引き継がれていく。

太陽にほえろ オープニングテーマ      井上堯之バンド

太陽にほえろ!メインテーマ

太陽にほえろ!メインテーマ

そのあとが「傷だらけの天使」だった。

彼の自伝を読めばわかるが、「傷天」はショーケンが実質的なプロデューサーのようなものだった。

夜中でもいいアイデアを思いつくと、すぐさま監督や脚本家に電話した。

脚本はほとんど原型を留めず、ショーケンのアイデアで、現場で変えていった。

太陽にほえろ」にショーケンは、もともと乗り気ではなく、「傷だらけの天使」は、「太陽」に出演して好評を博した、ショーケンへのご褒美のようなドラマだったから、何をやっても許された。

その結果、まったく視聴率を期待されていなかったドラマは大ヒットした。

当時、ショーケンの衣装をデザインした菊池武夫のファッションブランド BIGI は、オープニング映像にクレジットされて、大ブームを巻き起こした。

ショーケンは、そのあとの出演ドラマも決まっていて、それが倉本聰脚本の「前略おふくろ様」。

これまた立て続けの大ヒットとなり、ショーケン時代の寵児となる。

私は「傷だらけの天使」もそうだが、ほとんどのショーケンドラマを二十歳前後に見直した。

その頃に普及した、レンタルビデオショップのおかげだった。

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その頃までは、かなり謎の存在。

とにかく、松田優作をはじめ、甲斐よしひろや他のシンガー、アクターのリスペクトがすごい。

甲斐よしひろは、「近々、ショーケンと会う」とサウンドストリートで、誇らしげにしゃべっている。

ショーケンの曲は勿論、ショーケンが見出した柳ジョージの曲を掛けまくる。

松田優作ショーケンの真似ばかりしている。

傷だらけの天使」を自分でもやりたくて「探偵物語」を日テレで作ったし、岸田森と共演もした。

その頃のテレビや映画界では、ショーケン原田芳雄松田優作、女優では桃井かおり、そんなメンツがやりたい放題に暴れてた。

そういうわけで、私は過去に遡って、映画「青春の蹉跌」「約束」「龍馬暗殺」やその他のドラマを発掘しては観る、という事をやっていた。

それと並行して、これも甲斐よしひろの影響から、テンプターズPYGの存在を知る。

そして、「傷だらけの天使」のメイン・ライターだった市川森一が脚本を書いていた「帰ってきたウルトラマン」のワンシーンで、PYG の「花・太陽・雨」が流れていたことを思い出す。

そうやって、ヒーローたちがリスペクトするヒーロー・ショーケンの存在は、私の中で大きくなっていった。

傷だらけの天使  オープニング      井上堯之バンド

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ショーケン

ショーケン

 
前略おふくろ様 Vol.1 [Blu-ray]

前略おふくろ様 Vol.1 [Blu-ray]

もどらない日々       PYG

もどらない日々の歌詞 | PYG | ORICON NEWS

もどらない日々

もどらない日々

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もどらない日々

もどらない日々

ショーケンがライバルと意識していたのは、グループ・サウンズ時代、ザ・タイガースのヴォーカルで、PYG の仲間、沢田研二だった。

沢田は、オレは歌が命だ、と言っていた。

しかし、ショーケンはクリエイターでありたかった。

PYG を解散して、映画「約束」に関わることになったとき、最初は助監督だった。

しかし、主演俳優が降りてしまったために、急遽主役に抜擢された。

その演技力が評価され、「太陽にほえろ」に声がかかった。

それからは役者として、芸能界トップの座にまで登りつめたが、音楽も止めることはなかった。

最初はソロだった。

その後、柳ジョージを発掘してバックバンドに起用、ロッカーとしてツアーをやった。

それゆえに、柳ジョージとの競作がたくさん生まれた。

時は流れて       萩原健一

 時は流れて 歌詞

時は流れて

時は流れて

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熱狂雷舞

熱狂雷舞

こういう男には、必ず影の部分が付きまとう。

それは理屈ではなく、藝術というものが負の側面を背負って存在するものだからだ。

それゆえに、彼の残した優れた作品の数々が、表現者の素行によって左右されることはないし、あってはならない。

これは、近々のピエール瀧事件により、大きく世間を騒がせた問題につながる。

西欧において、犯罪者が芸術家として認められているのは、今に始まったことではない。

フランス中世の大詩人・フランソワ・ヴィヨンは、本物の盗賊であった。

また、同じくフランスの詩人・ポール・ヴェルレーヌも、イギリスの作家・オスカー・ワイルドも、罪を犯したとして獄中に繋がれた。

ヴィヨン全詩集 (岩波文庫)

ヴィヨン全詩集 (岩波文庫)

 

それは昔の話だろう、時代が違うからだ、という意見もあることだろうが、藝術のあり方には、時代に左右されない普遍性があるものだ。

今からわずか30年程前に、日本ではその是非をめぐり、論争があった。

永山則夫という連続殺人を犯した死刑囚が、刑務所の中で書いた作品で、文学賞を受賞した。

永山則夫加賀乙彦らの推薦を受け、1990年に日本文藝家協会に入会を申し込むが、一部の理事の反対により、入会を却下された。

それに対して、中上健次筒井康隆柄谷行人らは抗議し、協会を脱退するという事態に発展した。

入会反対の立場の江藤淳と、中上健次はテレビで討論を行ったという。

結局、永山が入会申込を撤回したことで、この論争はうやむやに終わった。

その後、永山則夫は、ドイツ作家同盟ザールラント支部への入会は認められている。

このように、日本では、藝術のあるべき姿についての認識が欧米諸国とはズレており、表現者に対し、いかに不寛容であるかがわかる。

表現者に不寛容であることは、すなわち藝術にも不寛容であるということだ。

であるから、日本では、戦時中のような御用文学者が多く出現することになる。

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祭りばやしが聞こえる        柳ジョージ

柳ジョージ 「祭ばやしが聞こえる」のテーマ 歌詞

 

祭ばやしが聞こえる     ショーケン Version   - YouTube

祭ばやしが聞こえる(紙ジャケット仕様)

祭ばやしが聞こえる(紙ジャケット仕様)

伝説のロック・スピリッツ

伝説のロック・スピリッツ

これは、 大野克夫の曲で、同名ドラマのテーマ曲。

萩原健一主演で、自転車レーサーを演じる。

このドラマで、のちに連れ添ったいしだあゆみと共演した。

サウンドトラックは、柳ジョージが担当し、歌った。

昔、スカパー! でやってるのを観たが、ストイックで、地味なドラマだった。

最後に、ショーケンっぽくないが、萩原健一らしいというこの歌をを聴きながら、哀悼の意を表したい。

さよなら、萩原健一。アバよ、ショーケン

美わしのかんばせ       萩原健一

美わしのかんばせの歌詞 | 萩原健一 | ORICON NEWS

美わしのかんばせ

美わしのかんばせ

 

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