MIDNIGHT HERO

デラシネのブログ。明日へむかって。

若き日の歌。哀しみの青春と太宰治「心の王者」。

「人は、泣きながら生まれてくる」

五木寛之の言葉だ。

今朝、目覚めると、頬を涙が伝って流れた。

夢にうなされたのだ。

若き日の哀しみは、いつまでも去る事がない。

心にいつまでも巣食っている。

起き上がり、自分に呟いた。

もう終わったんだ。あの日々の苦しみは。

Rusty Nail       X JAPAN 

Rusty Nail / X JAPANの歌詞

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Rusty Nail

Rusty Nail

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「WE ARE X」オリジナル・サウンドトラック

「WE ARE X」オリジナル・サウンドトラック

出口がどこにもないんだ。

あるのは、歌だけだった。

歌だけが、心の救いだった。

家を出ようと思っていた。

だけど、今の自分には、何もない。

世の中に出て、ひとり生きていく力なんて、ないんだ。

結局、今のまま、親に頼って生きるしかないんだ。

どこといって、自分が人一倍不幸なわけじゃない。

来る日も来る日も、涙を流さない夜はないけど、

ここを出て行って、ひとりの寂しさや悲しみが消えるわけじゃない。

そう考えてしまう自分がいた。

何もできなかった。

死のうと思っても、できなかった。

悲しみにまみれて、日々は過ぎていった。

悲しみの果て     エレファントカシマシ

悲しみの果ての歌詞 | エレファントカシマシ

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悲しみの果て

悲しみの果て

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ココロに花を

ココロに花を

ときに、若さは残酷だ。 

友はみな、私から離れて行った。

学校では、いじめられた。

一日、口をきかない日も数えきれないほどあった。

学校を休んでも、地獄。

行っても、地獄。

人が嫌い。

信用できない。

親も、世間の体裁ばかりを気にした。

誰もが、自分を被害者だと思っていた。

自分が、自分を一番嫌いだった。

好きだった人も、目の前を通り過ぎて行くだけだった。

裏切りの街角     甲斐バンド

裏切りの街角 / 甲斐バンドの歌詞

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裏切りの街角

裏切りの街角

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甲斐バンド・ストーリー

甲斐バンド・ストーリー

その頃、小鳥を飼った。

ひとりぼっちの自分の友だちにしようと思った。

けれど、自分を好いてはくれなかった。

愛情を注ぐ事ができず、あっけなく、亡き骸になった。

自分を愛せない人間には、他人は愛せない。

小鳥ですら愛せない。

残った鳥かごは、すぐに捨てた。

いつまでも、苦しい想いだけが残った。

 白い一日       井上陽水

白い一日の歌詞 | 井上陽水 | ORICON NEWS

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白い一日

白い一日

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氷の世界

氷の世界

学校を休んでいると、ときどき担任の教師がやってきた。

私の部屋に上がりこみ、何が好きかと私に尋ねた。

歌や小説が好きだと答えると、歌を歌ってくれた。

岡林信康の「チューリップのアップリケ」。

若く大柄な、男の体育教師が、かぼそい声で。

私はいよいよ哀しくなった。

アザミ嬢のララバイ        中島みゆき

アザミ嬢のララバイ - 中島みゆき - 歌詞

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私の声が聞こえますか

私の声が聞こえますか

家にいるのがつらくなると、街を彷徨い歩いた。

わけもわからず、悲しみの捨て場所を探しに。

あちこちで、万引をやった。

不思議と捕まらなかった。

私はその頃、なにを欲していたのか?

話を聞いてほしかったのか?

哀しみを伝えたかったのか?

だけど、気にかけてくれる大人はいなかった。

私は、野放しの少年ギャングだった。

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若い頃に戻りたいという人は幸せな人だ、と私は思う。

私は、ぜったいに、戻りたいとは思わない。

あの頃の、無間の孤独地獄に、二度と帰りたくはない。

かすかな光さえ無い夜は、もうたくさんだ。

 

少年の頃には翼があって、夢の中で空さえ飛べた。

それが今は、どうだろう?

大空を嵐が吹き荒れ、翼は傷つき、地べたを這いずり回る事しかできない。

鏡には、自意識過剰の、醜い顔の自分が映っているだけ。

鳥の王        辻仁成 

鳥の王/辻仁成 - 歌詞

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鳥の王

鳥の王

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鳥の王

鳥の王

 私は、最も荒れていた若い頃の、一時期の記憶を喪失している。

学校をサボり、街を彷徨していた、いちばんつらかった頃の記憶が、すっぽり抜けているのである。

その頃、なにを考えてなにを為したか、過去を振り返っての憶測に過ぎない。

これは、生きていくための自衛本能なのかもしれない。

その記憶が、突如、夢の中で甦る。

昨日鳴る、鐘の音のように。

昨日鳴る鐘の音       甲斐バンド 

昨日鳴る鐘の音  甲斐バンド   歌詞

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昨日鳴る鐘の音

昨日鳴る鐘の音

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昨日鳴る鐘の音

昨日鳴る鐘の音

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なにかを創り出そうとする人間は、心の奥に、闇を持っている。

弱き事は、恥ずべき事ではない。

「文化」と書いて、はにかみ、とルビをふる。

これらを私に教えてくれたのは、含羞の人・太宰治である。

若き日に悶悶と苦しむ者よ。雛鳥たちよ。

大いに悩み、泣き叫ぶがよい。

それは君たちが、この世に生まれ出で、

なにものかになろうとするための、生みの苦しみなのだ。

すべての負の出来事を逆手にとって、宝玉とする事ができる、

それこそが若さの特権だ。

若き者よ、「心の王者」たれ。

この、太宰治の小品をここに捧げ、筆をおくことにしよう。

太宰治  心の王者    青空文庫で読む。 

心の王者

心の王者

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